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カセットテープ・LPレコードから音楽を取り込む

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カセットテープ・LPレコードから音楽を取り込む


昔録りためたカセットテープやよく聴いた懐かしいLPレコードが、ホコリをかぶったままたくさん眠っているはずです。これらのアナログメディアは時間がたてば伸びたり傷がついて破損したり、保管状態が悪いと音質が劣化するという問題があります。


そこで、この音楽をアナログからデジタルに変換してパソコンに取り込めば、保管場所もいらず音質の劣化も防げるという利点があります。さらに取り込んだ音楽から、オリジナルCDを作ることができます。
復刻版のCDや4〜5万円出せば専用の機器も売っていますが、ちょっとした忍耐力と時間を投入することで、あなたのお気に入りの曲を永久保存することができます。是非挑戦してみてください。


ここでは、ラジカセからカセットテープの音楽をパソコンに取り込む方法を紹介しています。
手順は次の3つの段階で説明していますので、全体像をイメージして進めてください。
第1段階 カセットをパソコンに録音する
カセットの音楽(アナログ)をデジタル化(WAVEファイル)して パソコンのハードディスクに録音します。ここで使うソフトは『Sound Engine Free』(フリーソフト)です。
第2段階 ファイルを圧縮する
「WAVEファイル」はサイズが大きいのでファイルサイズの小さい「MP3ファイル」に変換して、たくさんの音楽が収録できるようにします。
第3段階 オリジナルCDをつくる
パソコンに保存した音楽データをCD-Rに書き込んで、オリジナルのCDをつくります。ここで使うソフトは『Media Player』(マイクロソフト社)です。

第1段階 カセットテープのデータをパソコンに録音する。
1.接続ケーブルを準備する
パソコンとラジカセまたはオーディオプレイヤーを接続するために、接続ケーブルが必要となります。
パソコンを購入するときに最初から付いてくる事も多いので確かめて見てください。無ければPCショップなどで購入します。(下の写真のようなものが一般的でパソコン側はステレオミニプラグです。オーディオプレイヤー側はその機器にあったものを使用します。)

ここがポイント
・ケーブルは両端のプラグがステレオ対応になっていること(プラグの先端に2本の帯がある)
・パソコン側でマイク入力端子を使う場合は「抵抗入り」ケーブルが望ましい
・ケーブルはパソコンとオーディオ機器の双方の端子の形状や仕様によって対応するプラグの種類が異なるので、下図を参考に自分の機器の端子を確認する
オーディオ機器の接続口(出力用)とケーブル
■テープデッキなどのLINEOUT端子 ■ラジカセなどのヘッドホン端子
ピンプラグ ステレオミニプラグ
パソコンの接続口(入力用)
■デスクトップパソコン
パソコンの裏側のサウンドカードのライン入力端子(青色)にミニプラグを差し込みます。
ライン入力・マイク入力・ライン出力など3つ以上の穴が付いている事が多いので、わからない場合は説明書で確認してください。


■ノートパソコン
ライン入力用とマイク用の2つある場合はLINEIN端子へ。ライン入力端子が無い場合はマイク入力端子を代用します。
<ヒント>
マイク入力の場合は、音が増幅して大きく取り込まれ過ぎるため音が割れるので、ケーブルは「抵抗入り」が望ましい。


2.録音ソフト『Sound Engine Free』のダウンロード
もう一つの準備として、WAVEファイルの再生・録音・編集・変換機能をもつサウンド編集ソフト(無料)をダウンロードします。
ダウンロードはこちらから→SoundEngine Free

3.パソコンとラジカセまたはオーディオプレイヤーを接続する。
接続の例
ラジカセ側はヘッドホン出力端子に、パソコン側はマイク入力端子にステレオミニプラグが接続されています。

ラジカセには、パソコンに録音しようとするテープ(ここではシャンソン特集のジュリエット・グレコ)をセットしておきます。
<ヒント>
ヘッドホン端子に二股の「ステレオミニプラグアダプタ」(価格は1000円程度)をつけて、片一方をイヤホンなどにつないですると、音楽を聴いて確認しながら作業ができるので便利です。
4.パソコンの入力音声の設定をする
■Windows11の場合
デスクトップの[タスクバー]右端にある[音量アイコン]を右クリックして[サウンドの設定]をクリックします。([スタート]→[設定]→[システム]→[サウンド]でもよい)

[システム/サウンド]で

@入力の[発話または録音用のデバイスを選択]でマイク端子に接続した[マイク]のボタンにチェックが付いているか確認します。

A[ボリューム]の右のスライドバーマークをドラッグして、音量を50〜70ぐらいにしておく。(あとで調整可能)
5.録音のレベル調整
録音作業に入る前に録音レベルを調整しておけば、耳障りな音割れを防ぐことができます。
「sound engine Free」を録音する状態にしてカセットテープを再生させると、レベルメータが上下に振れているのがわかります。レベルメータを見ながらピークが黄色の領域(-3dB〜-6dB)いっぱい位に収まるよう、パソコン側で設定した録音用の[マイク]の音量のスライダーを上げ下げして調整すると良いでしょう。

<ヒント>テープを再生してもレベルメータが振れ動かない場合は、接続口が間違っていないか、ラジカセ側のボリュームスイッチが上がっているかをチェックしてください。


6.デジタル録音のスタート
いよいよ、テープよりパソコンへの録音作業を始めます。
  1. カセットテープを巻戻す。
  2. 「sound engine Free」の[録音開始ボタン]を押したら、すかさずオーディオ機器(ここではラジカセ)の再生ボタンを押します
  3. いよいよ、パソコンに録音されていきます。あとは、曲が終わるまでそのまま、なにもすることはありません。録音は一曲ずつ行うのが基本ですが、なかなか面倒くさいので全曲一気に録音して、後で分割するという方法でもよいでしょう。(曲の分割は次項で説明します。)
  4. テープからの転送が終われば、ラジカセおよび「sound engine Free」の停止ボタンを押します。
  5. 録音結果を再生して確認、問題がなければ保存します。
    [ファイル]→[名前を付けて保存]→[保存する場所]を確認して[ファイル名]に名前を入れて[ファイルの種類]WAVファイル(*.wav)で[保存]をクリックします。
    ここでは、後で曲の分割をする例として全曲録音したものを
    保存場所 : マイミュージック
    ファイル名 : juliettogreco04
    として保存しています。

    再生の操作は、再生速度、再生位置、再生音量、およびその右の5つのボタンを使って操作します。
    頭出し・・・再生位置を先頭へ戻す
    巻き戻し・・・巻き戻し、押し続けると倍速逆再生を行う
    再生・・・再生を開始、もう一度押すと、再生を停止
    ループ再生・・・選択範囲を連続再生
    早送り・・・早送り、押し続けると倍速再生を行う
※いくつかの曲を一括録音して分割したい場合や、不要な部分を削除したい場合などは次の操作に進みます。


7.曲の分割
カセットテープなどに収録されている全ての曲を一気に録音した場合は、全部の曲が一つのファイルに集約されているので、そのままCDに書き込むと曲ごとのスタート(頭出し)ができません。そのため、曲を分割して1曲ずつのファイルに保存しなおす必要があります。
これには二通りの方法がありますが、自分のやりやすい方法で行ってください。
■マークで分割保存する方法
曲の間の無音部分を選んでマークを付けて分割保存する方法です。
@Sound Engine Freeを起動させて、メニューバーの[ファイル]→[開く]またはツールバーの[開く]で、保存したファイルを開くと波形が表示されます。(初期設定で[開くと同時に再生]にチェックが入っているとすぐに再生されるので[再生停止]ボタンで止めます。)
A画面下のスライドバーで波形を移動させて、1曲目と2曲目の間の無音部分(波形が途切れて細い線になっている箇所)を表示させます。([早送り]ボタンで倍速再生してもよい)
B[タイムライン(時間が書かれたバー)]を右クリック→[ここにマーク追加]をクリックして黄色の逆三角形(マーク)を出します。
Cそのマークをドラッグして移動させ、1曲目の波形が終わる位置に合わせます。同じ要領で2曲目の波形が始まる位置にも別のマークを付けます。

Dマークとマークの間の部分でダブルクリックすると選択範囲が黒く反転します。その黒い反転部分で右クリックして出たメニューで[削除]をクリックします。(左の図)
すると黒い部分が消えてマークが一つになり、1曲目と2曲目の分割ポイントがマークされました。(右の図)

E同じ要領でそれぞれの曲の分割ポイントにマークを付け終わったら、[タイムライン(時間が書かれたバー)]を右クリックして[マークで分割保存]をクリックします。

F[保存する場所]を確認して[ファイル名]に適当な名前(ここでは「syanson」)を入れてWAVファイル(*.wav)で[保存]します。
これですべての曲が、ファイル名の後ろに自動的に数字が 01 02 …と、割り振られ分割保存されます。
<ヒント>
  • 1曲目のスタートの前にある無音部分はマークを付ける必要はないので、その範囲をドラッグして選択(黒く反転する)→その上で右クリック→削除します。
  • マークにカーソルをあて、右クリックして[マークを削除]をクリックすると、そのマークを削除することができます。
  • ツールバーの[拡大][縮小]ボタンをクリックすると波形を拡大させたり縮小させたりすることができます。
  • 失敗しても、ツールバーの[元に戻す]ボタンを使えば元に戻してやり直せます。
■1曲ずつコピーして保存し直す方法
@Sound Engine Freeを起動させて、メニューバーの[ファイル]→[開く]またはツールバーの[開く]で、保存したファイルを開くと波形が表示されます。(初期設定で[開くと同時に再生]にチェックが入っているとすぐに再生されるので[再生停止]ボタンで止めます。)
A曲の始めから終りの波形をセンターライン近くでマウスでドラッグして、1曲分の範囲を選択します。(選択部分の境界線にマウスを当てて⇔で範囲を変更できます。)

B範囲を選択している状態でメニューバーの[ファイル]→[その他の保存]で[選択範囲をファイルへコピー]をクリックします。

C[名前を付けて保存]のダイアログで[保存する場所]を確認して[ファイル名]に適当な名前を入れてWAVファイル(*.wav)で[保存]をします。
D同じ要領ですべての曲を1曲ずつ範囲選択して[選択範囲をファイルへコピー]で保存していきます。


第2段階 ファイルの圧縮を行う
Sound Engine Freeで録音したWAVEファイルは、音質は良いのですがサイズが非常に大きいので、パソコンの中に多くの曲がたまりすぎると、ハードディスクの容量が小さいパソコンでは負担が重くなります。

最近の新しいパソコンの場合は、容量も大きくなっているのでほとんど問題にはなりませんが、
どうしてもという方の対策としては
・取り込んだWAVEファイルの曲は、音楽CDとして書き込み収録した後はパソコンから削除してしまう。
・WAVEファイルをMP3ファイルに圧縮してパソコンに保存し、メディアプレーヤーで聴く。
・WAVEファイルはオリジナルソースとして、外付けハードディスクなど別の媒体に保存しておく。
などが考えられるので、目的と実情に合わせて対応してください。

WAVとMP3の違い
wavファイルは無圧縮ですが、mp3ファイルは非可逆圧縮で圧縮されているファイルです。
そのためwavファイルは高音質なのですが、ファイルサイズがかなり大きくて5分程度の録音データのでも50MBほどのサイズとなります。
一方のmp3ファイルは非可逆圧縮で人間の可聴域の外にある音をカットすることでファイルサイズをwavファイルの1/10ほどになりますですが、そのぶん音質が劣ります。
ただ人間が聴く分には音質の劣化を感じづらいので、オーディオに凝っている人でなければwavファイルとmp3ファイルの違いに気づきにくいでしょう。
WAVをMP3に変換するには
フリーソフトと称しながら実はいろんな制限があったり、オンラインで無料変換というサイトも時間制限があるなど、なかなか思うようには行きません。
そんな中で、Audacityが一番おすすめです。
ダウンロードはこちらから⇒Audacity V3.2.5 窓の杜からダウンロード




使い方

@Audacityを起動して「ファイル」の「開く」をクリック
Awavファイルのある場所を選んで変換したいファイルを選んで「開く」をクリック










B曲が挿入されるので「ファイル」の「書き出し」から「MP3として書き出す」をクリック
「保存」して「OK」










C元のファイルの場所に同じ名前で〇〇.mp3で保存される


※Aで全ての曲を選ぶと全部一括して変換することもできます。
ぜひ挑戦してみてください。


第3段階 自分だけの音楽CDを作ろう
音楽CDを作る場合、一枚のCDに書き込むことができる曲の長さは約70〜80分で、ファイルサイズが異なるWAVEでもMP3でも同じことです。
WAVEとMP3の音質の違いはパソコンで再生してもほとんど気になりませんが、音にこだわる人はWAVEファイルを使えば、元のカセットテープやLPレコードの音質そのままのCDを作ることができます。


パソコンに取り込んだ音楽から自分のお気に入りの曲ばかりを集めて、オリジナルの音楽CDをつくる方法は
こちらのページ→「オリジナルCDをつくる
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